ビルメンが知っておきたい法定業務・法定点検まとめ

ビルメンゆうた
ビルメンゆうた

こんにちは!今回はビルメンとして知っておきたい法定業務についてご紹介したいと思います!

ビル設備には、電気設備、給排水設備、衛生設備、建築設備、空調設備等、様々な設備があります。ビル管理を生業としてやっていく以上、押さえておきたいのは法定業務です。

ビルオーナーとビルメン会社との間で結ばれた委託契約書を読めば大方の契約業務は分かります。

通常であれば法定業務は契約業務に包括されている事が多いかと思います。大体どの管理物件でもビルメンが実施したり手配したりする事が多いので一通りの事は知っておくと良いです!

区分点検対象物点検周期内容詳細関係法令点検資格者
建築基準法建築物1回/3年敷地・構造・建築設備に関する定期調査屋根・外壁・避雷器等建築基準法 12条 2項
同 施行規則 5条の2
建築士等
建築設備1回/年建築設備等の損傷・腐食・その他の劣化状況換気設備・非常照明設備・排煙設備・給排水設備等建築基準法 12条 4項
同 施行規則 6条の
建築士等
防火設備1回/年防火扉・防火シャッター・防火クロススクリーン等建築基準法 12条 4項
同 施行規則 6条の2
建築士等
建築基準法・労働安全衛生法昇降機1回/年エスカレーター、エレベータ建築基準法→定期検査。労働安全衛生法→積載量1t以上のエレベーターにおいては性能検査建築基準法 12条 4項
同 施行規則 6条の2。労働安全衛生法 45条 1項
建築士等
労働安全衛生法照明設備1回/6か月労働者を常時就業させる室照度の低下の原因となる事項について行う事務所衛生基準規則 10条 3項–
機械による換気のための設備1回/2か月空気調和設備、機械換気設備、換気扇等 動力による換気のための設備異常の有無の点検。3年間保存事務所衛生基準規則 9条–
空気調和設備1回/月冷却塔・加湿装置・排水受け汚れの状況点検(必要に応じて清掃)事務所衛生基準規則 9条の2–
1回/年冷却塔・冷却水の水管・加湿装置清掃、薬品洗浄、ストレーナ分解清掃事務所衛生基準規則 9条の2–
中央管理方式の空気調和設備1回/2か月労働者を常時就業させる室の作業環境①一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率
②室温及び外気温
③相対湿度
事務所衛生基準規則 7条–
圧力容器1回/1年第2種圧力容器、小型圧力容器定期自主検査労働安全衛生法 45条 1項
建築物における衛生的環境の確保に関する法律空気調和設備1回/月、1回/年冷却塔等(労働安全衛生法と同様)建築物衛生法 4条 1項建築物環境衛生管理技術者の監督のもとに行われること
1回/2か月各階ごとの居室の空気環境浮遊粉じんの量、一酸化炭素の含有率、二酸化炭素の含有率、温度、相対湿度、気流の測定
冷却水–冷却水水質検査検査項目要確認水道法
給水設備(上水・井水(飲用水として供給される場合)1回/6か月水質検査 16項目飲料水に必要な13項目に加えて、水道の配管などから由来する物質に関する項目。1年間に16項目2回、12項目1回の合計3回検査を行う建築物衛生法 4条 1項
水道法 34条の2 1項
1回/年水質検査 12項目 6/1~9/30の期間に検査水に添加される消毒剤が水に含まれている有機物と反応して有害な物質が発生していないかを確認
1回/7日有利残留塩素の検査
1回/年貯水槽の清掃
給水設備(雑用水)1回/7日水質検査 pH値、臭気、外観建築物衛生法 4条 1項
1回/2か月水質検査 大腸菌、濁度
1回/7日有利残留塩素の検査
–貯水槽の清掃
排水設備1回/6か月排水設備の清掃排水槽、排水管洗浄
水質汚濁防止法排水1回/年有害物質(27項目)と汚染物質(15項目)検査水質汚濁防止法3条
電気事業法年次点検1回/年受変電設備月次点検1回(通達内に点検内容あり)。他設備も保安規定に基づき実施する電気事業法、省令、経済産業省通達
消防法機器点検のみ1回/6か月消火器具・消防機関へ通報する火災報知設備・誘導灯・誘導標識・消防用水・非常コンセント・無線通信補助設備消防法17条の3の3消防設備士、消防設備点検資格者
機器点検・総合点検1回/6か月、1回/年上と下以外の消防の用に供する設備
総合点検のみ1回/年配線
防火対象物1回/年防炎性能、防火戸、避難階段の障害物等の点検、設置状況の点検消防法 8条の2の2防火対象物点検資格者
高圧ガス保安法冷凍機1回/3年保安検査特定施設の1日の冷凍能力が20t(フロンガスの場合50t)以上の高圧ガスを用いる冷凍機高圧ガス保安協会
または 指定保安検査機関
フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律第1種特定製品(エアコン・冷蔵・冷凍機器)1回/3か月簡易点検第1種特定製品とは以下に揚げる機器のうち、業務用の機器であって、冷媒としてフロン類が充填されているもの
・エアコンディショナー
・冷蔵機器及び冷凍機器
フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律 16条 1項十分な知見を有するもの
ガス事業法ガス機器(給湯器)1回/3年消費機器が技術上の基準に適合しているかの調査。ガス配管。ガスメーター点検地下階は毎年ガス事業法 40条の2ガス事業者

上表はボクが常駐しているビルの法定点検一覧(参考)です。

日常業務として残留塩素の測定や冷却塔の清掃、空調機の点検を行っているビルメンは多いかと思いますが、これらは全て法的根拠のある業務です。

ボクの場合は電気主任技術者として選任されている為、当然ながら電気事業法に基づく電気設備の保安監督は絶対に押さえなければならない業務です。

自家用電気工作物の場合、保安監督部に受理された保安規程がありますので、そちらが保安監督の内容そのものになります。

新規に電気主任技術者に選任された方は保安規程を読み込んでおいた方が良いかと思います!

電気事業法以外にも、

建築基準法 ⇒ 非常照明、避雷器
消防法 ⇒ 誘導灯、自火報、非常用発電機、蓄電池
労働安全衛生法 ⇒ 照明設備、空調機

と電気に関連する事項が記載されています。

大きいビルになると電気主任技術者以外にもビル管理士や消防担当がいるため、すべての業務を担当するわけではないですが、分からない事があると電気主任技術者に意見を求める事が多々あるため、受変電設備以外の知識も必要です。

電気主任技術者は責任のある職務ですが、ビル管理士も並び立つ責任のある職務です。

ビル管理士に選任されるとビル管理法に関連する業務を受け持ちます。空気調和設備の調整、給排水設備の管理、清掃、害虫対策といった衛生関係の業務です。

これだけならまだしも、建築つながり(?)という事で建築基準法に基づく業務も担当として受け持つ事が多いです。建築基準法であれば、本来なら建築士を保有している人が業務担当するのがベストですが、選任業務ではないため、ビルメン会社でこの資格を保有している人は非常に稀です。

したがって、ビル管理士を持つ人が建築基準法関係の設備(建築物、防火設備、排煙設備、昇降機など)を担当するケースが多いのが現状です。

ビルの築年数が経ってくると様々な設備が経年劣化してきますが、感覚的に 空調設備>給排水設備>電気設備>建築設備 の順でトラブル発生数が多くなります。

ビル管理士になるとトラブル対応や更新計画を山ほど対応する事になりますね!

続いて消防担当です。

どこのビルに行っても消防設備は必ずありますので、非常に汎用性の高い業務です。

消防設備は消火器やスプリンクラーといった一般の方にも馴染みのある物が多いため、新人ビルメンにも比較的とっつきやすい業務でもあります。

点検は自社でやるところもありますが、専門業者に外注している事が多いかと思います。ボクは消防設備士の資格を持っているため、誘導灯、非常コンセント、漏電火災警報器の試験は自前でやります。自火報も自社でやる事を考えた事はありますが、人員不足の都合で断念しました。

ビルメンゆうた
ビルメンゆうた

点検目安1回/月となっているものは、月次点検としてビルメン対応となる事が多いです。

1回/3か月や1回/年となってくると、専門性が高くなりますし、点検道具も必要になってきますので、下請けに出したり、外注に変わっていきます。

ですので、ビルメンになると簡易的な点検や作業を行いつつ、業者調整(オペレーション)も行います。

たまに業務内容を把握せずに下請けに丸投げして、日程調整だけは行い、仕事を完結させたと思っている人がいますが、このようなやり方だとお客様に説明を求められた時に元請けとして回答する事ができませんし、お客様からしたら「下請けと直接契約したい…」という気持ちになり、会社への不信感にもつながります。

また、丸投げすると自分自身の成長機会を失いますし、潜在的リスクを見逃す事にもなります(下請けは専門業者かもしれませんが、そのビル全体を俯瞰してみればビルメンの方が詳しいはずです)さらには、業者も「このビルメンは何も知らないな」と金額を吹っかけてきたり、見えないところで手抜きをしたり等々、長い目で見ればビル管理に悪影響を与えるため、丸投げとせずに業務内容はしっかり把握して下請け業者と対等に話せる努力をしなければなりません。

他にもフロン点検やガス機器点検、地域によっては水質汚濁防止法による排水分析といった法定点検があります。

もちろんビルによって点検内容は異なりますが、ビルメンになられたら一度業務内容を洗い出して、どれが法定点検に該当するのかを整理しておくと業務の全体像を把握できるかと思います!

では、本日はここまで!最後までお読みいただきありがとうございました。

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